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菓子職人(第11話)発条(ばね)
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菓子職人(第11話)発条(ばね)

ものは考えよう、自分を触発する手段のお話し。

駆け出し当時の自分を振り返ってみると、赤っ恥だらけで、どこからあの自信が湧いてきたのだろうと不思議に思うことが、しばしばあります。他のお仕事のことは、体験したことがないので分かりませんが、新人のうちは、同期入社生がライバルになることが多いですね。

私の場合、家族や知人が全くいないスタートだったので、学生時代をリセットしたいところもあり、上京したのですが、これは、今思い出すとある意味よかったと思います。

私のように意思が薄弱で、ややもすると無精で逃げ出したがり屋の性格は、少しでも逃げ道があれば、逃げて隠れて、生きていければそのほうが、今日の景色が明日も見れると良いなと思ってしまう。

これが何が何でもやらなきゃいけないってなると、不思議とやれるもんですね。

そんなこんなで、他人より負い目?があり、負けてたまるかってことになったので、この職場の若手の中で一番先に親方になるんだって思い始めて、がむしゃらって言ったら体裁は良いけど、他人の邪魔もしたし、周囲のことなんか考えず、やってきたように思います。(全く迷惑な話です・・・。とほほ)

そんなわけで、これが私の発条になったことは事実です。

もっと、思いやりが持てる余裕があればよかったと、これが一番感じますが、なりふり構わずやってきたことのよかったことは、とりあえず、こなせるようになった、

悪かったことは、当時の仲間を傷つけてきた事と、仕事のタッチが、いまだにスマートじゃない、野暮ったい、どこか力みが抜けない気がします。

反省課題が多い中、毎日お客様に向き合って、喜んでいただくことが罪滅ぼしかな・・・・です。

これから、菓子職人を目指す人のアドバイスにはなりませんが、こんな先輩でも、続けていると、イメージしたものは表現できるようになる事は事実です。

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