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菓子職人(第14話)転換期。
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菓子職人(第14話)転換期。

昭和50年代のホテルの製菓部門では、約3年周期で、配置転換がありました。

プレパレーション、ミキサー、パイ、窯、仕上げ、アイスクリーム、ピエスモンテ、宴会(ビュッフェデセール)と、ミキサーでの仕込みは、絞りもののクッキー、パウンドケーキ、フルーツケーキ、ジェノワーズ、ビスキュイ、パートボンブ、クレームダマンド、チーズケーキ、パートシュクレ、パートフォンセ、パートフュイユタージュ、シロップ、なぜかドーナツ揚げ、とにかく、広範囲の菓子の基本になるクリームや生地、ベークドアラスカ(婚礼のアイスクリームの仕上げ)。

このころのウエディングケーキは、パスティアージュと呼ばれる発布スチロールの太鼓に柱(ピラー)を使って、砂糖菓子で背の高い仕上げで、入刀口には、堅めのスポンジを仕込んで、お祝いするスタイルでした。お配りするケーキは、焼く5㎝四方にカットしたフルーツケーキをお配りしていました。

私の場合、最初の会社で14年お世話になったので、丸っと一回り経験したことになります。

Pホテルでは、チーズケーキが看板商品だったので、一度の仕込みで21㎝の型で36台の仕込みを2回から3回、カスタードクリームでも7500mlが一回分だったので、スチームケテルを使って炊き上げ、五右衛門風呂のような大きさのミキサーボール2本使って合わせの作業をやっていました。

朝の仕出しでは、アプリコーテといって、大きな鍋でアプリコットジャムをぐつぐつ沸かして、30台から40台以上のチーズケーキを仕上げて、砕いたアーモンドスライスのローストを周りにつけては、箱詰めして出荷したのを覚えています。

老舗ホテルでは、どこでも、何かしらの看板商品があるのでしょうが、大先輩たちのおつくりになったシステムがヒットし成功して、そのお手伝いができたことは、幸せでした。

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