今でも、尊敬している製菓業界(菓子屋)の先輩に会うきっかけとなったことが、一番の幸せです。

最初は、どこの会社に就職するか?普通はいろいろ調査して迷うことが多いと思います。

何のブランドを自分のキャリアにしたい。

僕の場合、良かったのか悪かったのか、担任の先生の意見でこの会社に就職できたような気がします。

入社できたのは本当に幸せですが、他の選択肢がない分、迷いがなかったのが良かったのでしょう。

ともかく、5~6年経つと、ベテランの部類に入り、社外の研修なども興味が湧いてきて、研修会場での人との出会いはその後の、職人経験を豊かにしたに違いない。

なぜか、職場の先輩より研修会場で出会った人の意見が素直に聞けました。自分で時間とお金を作って自発的に動いたせいでしょう。こういう出会いが支えになり、後でオファーを受けるきっかけとなったり、よそのホテルのシェフクラスの方ともお会いできることができました、いろんな意味で啓発を受け、後押しされ、そのあとスタッフを斡旋してもらったことは勿論です。

違う会社に訪問すると、同業者とはいえ、教養レベルがあまりにも違いすぎることに驚きを隠せませんでした。

会社からアメリカ留学して、他セクション(フロント、ルームサービス、キャッシャー、ウエイター、なども含め)社内で英会話の授業をする人がいたり。

国際レベルまで行って、世界で何本の指に入るような人と会ったり、でも、この人が、会社の中でどの人に会っても挨拶を笑顔でして、スチュワード(洗い場)の人でも、ウエイターでも、腰を低くお願いしますと・・・。

国際レベルって、こういうことなんだ、このお皿を洗ってくださいと、頭を下げる。

この人と、おんなじ時代に、同じ職業につけたことに感謝しています。

 

 

挫折と失敗?昔読んだ本の中の記憶に、「失敗は本人の心の中にある」と、思い出します。

職場では、モノを運んではひっくり返す、壊す、腰を痛める、毎日一袋25㎏の粉と30㎏のグラニュー糖を身の丈ふた山分運び続けていれば、そうゆうこともあるでしょうが、それでもへこたれないでやって、更に仕込みのミス。

度重なる、間違いの連続。それでも、本人がそれと思っていなければ、挫折はしないのだけれど、致命的なのは、他人に自分の思いや気持ち、イメージを伝えることが苦手。

それで何で、粉と卵を自在に操れるだろう?ただ、やみくもにやっていればできると信じていたから。

当時を振り返ると、師匠は、物は何年もやっていれば作れるようになる、他人を気遣うことは、意識しないとできない・・・・と。

何の事言っていやがる、いくらやってもできないじゃないか?なんでもいいから作れるようになりたい。

こんな料簡が、少しづつ変わってきたのは、相当な年が経ってから、もしかして、未だに分かってないな、といわれているかもしれない。

毎日が、そこにたどり着く旅なのかもしれない。

毎日がそこに少しづつ近づけるように努力しなきゃ・・・ですね。